今年度の申し込みは終了しました



令和7年度
 兵庫県肢体不自由児者デジタル写真展  




    審査結果    


審査員  読売新聞大阪本社神戸総局  八木良樹  
兵庫県特別支援学校肢体不自由教育校長会 会長 水谷健治  
 兵庫県肢体不自由児者協会 副理事長  岩崎康宏  
兵庫県肢体不自由児者協会 常務理事 長谷照彦  
 兵庫県肢体不自由児者協会 理事  中川靖敏  


 令和7年11月25日(火)、兵庫県福祉センター6階会議室にて審査会を開催しました。応募数及び出品数は、本人部門20名で31作品。関係者部門10名で10作品でした。
昨年度に比べ本人部門の応募が増えました。どの作品も日常生活の中での喜びや感動などの瞬間をとらえた温かい写真で、撮影者の思いのこもった作品ばかりでした。本当にありがとうございました。
審査の観点としては、まず笑顔、生活の中で見せてくれる何気ない姿、写真の中の人たちの関係性などを考慮するとともに、撮影の技術、写真の精度などを総合的に評価して選定しました。今年度は、本人部門は理事長賞と読売新聞神戸総局長賞を含めて6点。関係者部門は合計4点を選定しました。


審査総評:
今年度は、本人部門が31作品、関係者部門が10作品の計41作品の応募でした。
本人部門は、表情豊かな作品や心象風景のような作品。ふと目にした物への感動などが素直に表現できていたと想います。
関係者部門では愛情を感じる作品が多く、特に早世された坂本洸太さんの笑顔の写真は群を抜いていました。
ピエゾスイッチ(電圧スイッチ)やセルフタイマー。あごでシャッターを押したりと使える場所を駆使して写真を楽しんでいる様子がよくわかります。
せっかくの写真展です。関係者部門では肢体不自由児者の日常が分かる写真を外に向けアピールされてはどうでしょう。今回応募があった三田市立ひまわり特別支援学校の「つかまった~!」の写真のような学習の様子を伝える事で一般の理解が進む一助になると思います。今回、本人部門の応募が多かったので関係者部門の入選の一つを本人部門に加えました。(八木良樹)

※賞の盾とメダルは昨年度のものです。

読売新聞神戸総局長賞  理事長賞  入賞メダル 副 賞 
 
   
                本人部門 ⇒



表彰状の様式   



            関係者部門 ⇒



  本人部門       

 読売新聞神戸総局長賞   理事長賞
 「愛おしい灯火」  
    「シャッターチャンスは今!」 
  社会福祉法人ひびき福祉会   近藤 司さん    伊丹市立伊丹特別支援学校    伊藤千世 さん 
 選考委員 八木良樹様のコメント: 
この写真を見た時、NHKの朝ドラ「ばけばけ」の主人公、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談が頭をよぎりました。おどろおどろしい幽玄の世界を表しているようなそんな作品です。能舞台のボケ方も効果的でした。
   選考委員 八木良樹様のコメント: 
眉の下に取り付けたピエゾスイッチ。表情やしぐさを工夫しながら撮影している様子がよく分かります。「こんな方法もあったんだ」と関心するとともに新たな表現を手に入れた千世さん。次も期待しています。

 入賞    入賞
  「お母さん夕日がきれいね」
   「秋空 気持ちいい」
兵肢協・青年グループ会員   宮西あいさん    西宮市立西宮支援学校   乾 莉央さん
 選考委員 八木良樹様のコメント: 
「日本の夕日百選」にも選ばれる「慶野松原」。見事な夕日が撮れました。ちょっとアウトフォーカスでしたが、かえってそれが油絵のような効果を生み出しました。寄り添うシルエットが美しい作品です。
   選考委員 八木良樹様のコメント: 
気持ち良さが写真いっぱいに表現できています。画面のほとんどを占める青空。莉央さんの表情も声が聞こえてきそうなほど明るく素晴らしい作品です。撮影のための構内めぐり。どんどん続けて下さい。
 入賞    入賞
  「私の弟」
   「秋空と校舎と私」
 神戸市立山の手小学校   亀田彩葉さん   川西市立川西養護学校    後藤愛生さん
 選考委員 八木良樹様のコメント: 
弟想いの彩葉さんの気持ちがよく出ている写真です。大好きな怪獣のフィギュアと自分の世界を作って振り向かない弟くん。「学校に行こうよ」と声をかける彩葉さん。逆光のシルエットがそんな二人の朝を見せてくれました。
   選考委員 八木良樹様のコメント: 
抜けるような青空。いつも学んでいる校舎。※SRCを駆って突き進む愛生さん。セルフタイマーで撮ったようですが愛生さんの明るい性格がそのまま写真に出ています。これからもSRCで走り回って写真を楽しんで下さい。怪我に気をつけて。

          ※SRCの解説をクリックしてご覧ください






   関係者部門     


 読売新聞神戸総局長賞   理事長賞
 「水!最高!!」  
    「自慢の笑顔」 

三田市立三田ひまわり支援学校   竹内千鶴さん    西宮市立西宮支援学校  坂本洸太さんの保護者
 選考委員 八木良樹様のコメント: 
手のひらから伝わる水の感触、冷たさ。彼の表情にその楽しさ、うれしさが凝縮して見えます。背後に広がる青空や水に映り込む風景。すべてがバランス良く1枚の写真に納まっています。心地よさが見る人にも伝わってくる写真です。
   選考委員 八木良樹様のコメント: 
16歳で早世した息子の洸太さん。家族の真ん中で笑顔を振りまいていた様子がこの写真を見れば分かります。どのような場面で撮影されたかは定かではありませんが、洸太さんの明るい性格が表現されています。思い出と共に・・・合掌
 入賞   入賞
 「ぼくはいつも真剣です」  
    「いつもありがとうございます」 
  川西市立川西養護学校 
加藤晴登さんの保護者 加藤誠一さん
   
   西宮市社会福祉協議会 地域センター
青空園はぴこ 北山正幸さん
 選考委員 八木良樹様のコメント: 
防災の日か何かのイベントでの一コマでしょうか。地元の消防団の自慢のお父さん。一緒に放水訓練に参加した晴登さんも水の方向を見据え自信満々。家族の一日がほほえましく表現できています。周りの景色も美しいです。
   選考委員 八木良樹様のコメント: 
秋の収穫、とは言え暑い日が続いていました。車いすでぐったりした男性に優しく上着で陰を作るボランティアの女性。ほのぼのとした優しい風景が伝わってきます。ちょっとした瞬間を切り取るのも写真の醍醐(だいご)味。ボランティアの方の気遣いを見せていただきました。